やわらかく、伸縮性があり、洗っても劣化しない。
THEでスウェットを作ろうと考えたとき、最初に思い浮かんだのが吊り編みのスウェット生地でした。
数百台しか現存していないと言われる吊り編み機で有名な和歌山県産の吊り編みのスウェット生地。
吊り編み機とは、ニット生地を編み立てる旧式の編み機で、糸を無理に引っ張らずに手編みのようにゆったりと編んでいく機械のこと。生産効率が低いかわりに、丈夫で劣化せず、洗いこむほどに実感できるやわらかい生地をつくることができるのが特徴です。
今では吊り編み機は減ってしまいましたが、1960年代中頃までのヴィンテージと呼ばれるスウェットシャツのほとんどがこの生地で作られていて、何十年も経った現在でも古着として多くのファンを魅了し続けていることが、耐久性の高さや品質の良さを物語っています。
THE Sweat Crew neck PulloverとTHE Sweat Zip up Hoodieの吊り編み生地は、アメリカンピマコットンを用いて紡績段階で撚糸による斜行を極力なくした柔軟性のある特殊糸を作り、その特殊糸で編み立てています。つまり、糸を作る段階から素材を無理に引っ張らずに自然な状態を保つように作っているのです。
縫製とパターンの研究は、創業60年のカットソーメーカー、丸和繊維工業株式会社。肌着から事業をスタートし、身体の動きや姿勢に合わせた独自のパターン研究と縫製技術が評価され、2010年には同社製品が宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙船内被服にも選定されています。
その独自研究に基づいた衣服設計と縫製技術を応用し、見た目はベーシックな形状でありながら、動いても着崩れが起きない最高の着心地を実現しました。